結婚は本当にコスパが悪いのか？ プロの視点で婚活とお金を考える

結婚をめぐる多様な意見

近年、「結婚はコスパが悪い」という意見が若い世代を中心に広まっています。この背景には、結婚に伴う経済的負担や時間的制約に関する懸念があります。一方で、結婚には精神的安定や法的・経済的な優遇措置など、多くのメリットがあることも事実です。ここでは、婚活カウンセラーでありFPの私がこのテーマを多角的に考察し、読者が自身の価値観に基づいて最適な選択をする手助けを目指します。

結婚の懸念点とメリット

結婚に対する主な懸念点

1. 経済的負担 結婚後の生活費増加や資産形成の不安は、多くの人が懸念するポイントです。自由な支出が制限されることも挙げられます。
2. 時間的制約 趣味や自由時間の減少を心配する声は少なくありません。これまでの生活スタイルを維持できない可能性に不安を感じることがあります。
3. 社会的プレッシャー 結婚後の親戚付き合いや役割分担、キャリアへの影響が懸念される場合もあります。

結婚のメリット

1. 精神的な安定 パートナーとの信頼関係や支え合いは、幸福感や前向きな気持ちを生み出します。これが仕事や人生の大きな原動力になることがあります。
2. 法的・税制上の優遇措置 結婚による配偶者控除や相続権などの法的優位性は、生活を安定させる要素となります。
3. 生活の安定 困難な状況で助け合えることや経済的リスクの分散が可能になります。

独身のメリットと注意点

結婚のメリットばかりに焦点を当てるのではなく、独身生活の良さについても触れておくことが公平でしょう。

• 自由な時間と選択肢 独身ならではの自由な生活スタイルや、好きなことに集中できる環境は、多くの人にとって魅力的な要素です。
• 経済的管理のシンプルさ 独身であれば、家計の複雑な管理を避けられ、自分のペースで資産形成を進められます。

ただし、独身生活には、孤独やサポート不足に直面する可能性もあることを意識する必要があります。特に年齢を重ねるにつれて、周囲との関係が希薄になる可能性もあるため、自分なりのバランスを見つけることが大切です。

結婚のコストパフォーマンスを数字で考える

単身世帯と共働き世帯の収入比較をすることで、結婚の経済的側面を可視化します。

項目	単身世帯（年収1,000万円）	共働き世帯（夫600万円＋妻400万円）
所得税	約120万円	約50万円
住民税	約75万円	約49万円
社会保険料	約140万円	約140万円
手取り収入	約665万円	約761万円

結果として、共働き世帯の方が年間約96万円の手取りが増える計算です。また、子供がいる場合にはさらに扶養控除が適用され、手取り額の差が広がる可能性があります。

情報の冷静な判断の重要性

「結婚はコスパが悪い」という意見が話題になっていますが、真実は人それぞれの価値観やライフスタイルに基づいて異なります。ネットの情報に過度に影響を受けるのではなく、自分自身でしっかりと考え、選択することが大切です。